左利きライフ研究家レフティやすおの左組通信ブログ

2016年に消失したホームページ『レフティやすおの左組通信』に代わるものとして、左利きライフについて、及び読書や本の話題、ベランダ園芸、その他あれこれについて書いてゆきます。

利き手

左利き宣言:「私にも夢がある」/左利き宣言―レフティやすおの左利き私論1-(3)


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ホームページ『レフティやすおの左組通信』から―
 (初出)2003年12月

 *2018年1月4日 一部加筆修正
*2018年1月12日【14年後の一言】追加
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【3・左利き宣言:「私にも夢がある」 】

左利きは不幸の種ではない。
左利きが不幸となるのは、それを育てる右利き社会という土壌の存在であり、右利きという多数派の人々のなせる業である。

1963年アメリカのワシントンにおいて、キング牧師(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア Martin Luther King, Jr. 1929年1月15日-1968年4月4日)は1963年8月28日「I HAVE A DREAM 」スピーチを発表し、肌の色の違いによって差別されることのない社会の実現を訴えた。

私は今、利き手の違いによる差別のない社会の実現を訴えたい。

キリストは「汝の隣人を愛せ」と教えたという。私は右利きの人たちに「汝の隣人、左利きの人を愛せ」と言いたい。

愛するとは共に生きることであり、共感を抱くことである。
同じ思い、同じ気持ちになろうとすることである。
真実は理解できなくとも理解しようと努力することである。

そして、左利きの人よ。

ただただ身の不幸を嘆くのではなく、自分自身の言葉で周りの人々に告げよ
無知なる者には知識を与えよ
無理解なる者には理解を求めよ

自らの手で自らの道を切り開け
共に歩もうとするものたちと手と手を取り合い、勇気を持って前へ進め。

利き手の違いによる差別のない社会の実現に向けて。


*参照:
キング牧師(ドクター・マーティン・ルーサー・キング・ジュニア Martin Luther King, Jr. 1929年1月15日-1968年4月4日)
「I HAVE A DREAM(私には夢がある)」スピーチ(1963年8月28日、ワシントン・リンカーン記念堂)より

I have a dream that one day this nation will rise up and live out the true meaning of its creed: "We hold these truths to be self-evident: that all men are created equal." 
私には夢がある。それは、いつの日か、この国が立ち上がり、「すべての人間は平等に作られているということは、自明の真実であると考える」というこの国の信条を、真の意味で実現させるという夢である。
...
I have a dream that my four little children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin but by the content of their character.
私には夢がある。それは、いつの日か、私の4人の幼い子どもたちが、肌の色によってではなく、人格そのものによって評価される国に住むという夢である。

アメリカンセンターJAPAN より
Martin Luther King Jr.
「私には夢がある」(1963年)
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア


━【14年後の一言】━━ 

三十代の半ば、左手用カメラ「京セラSAMURAI Z2-L」を手にしてい以来、左利きであることに目覚め、「左利きは左利き用の道具を!」と考えるようになり、左利きの活動を始めることになったのです。
しかし、日本国内では思うように仲間を探せないという気持ちから、海外の既存の左利きの組織とコンタクトしようと思い、そのためには「英語の勉強を!」と考えました。
とはいえ実質、中学時代以来なので、初歩の初歩からのスタートということで、NHKのラジオ英語番組「基礎英語」「続基礎英語」(ともに当時の番組)から始めました。

その「続基礎英語」のテキストで出会ったのが、キング牧師の「I HAVE A DREAM(私には夢がある)」スピーチでした。
講師だった斎藤誠毅先生に感謝! です。

まさに「これだ!」と思いました。
以来、私の「左右共存の社会の実現」という夢に向けての、左利き活動――「左利きライフ研究」活動のバックボーンとなりました。


*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』
2004.4.10

 I say to you today, my friends, so even though we face the difficulties of today and tomorrow, I still have a dream. It is a dream deeply rooted in American dream. I have a dream that one day this nation will rise up, live out the true meaning of its creed: “We hold there truths to be self-evident, that all men are created equal.”

 I have a dream that my four little children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin but by the content of their character. I have a dream today.

 今日皆さんに申し上げたいのは、たとえ今日や明日が難しかろうとも、私には夢があるということです。それはアメリカンドリームの奥深くにある夢です。いつかこの国が立ち上がって、「人間はすべて平等に造られているという真実を我々は自明のことと思う」という信条の本当の意味を全うするという夢です。

 いつの日か私の四人の小さな子どもが皮膚の色よりも人間性の中身によって評価されるという夢です。今日私には夢があるのです。

斎藤誠毅訳『NHKラジオ続基礎英語1993年1月号』より


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*左利き宣言―レフティやすおの左利き私論1 

【14年後の解説】━左利きの現状を見よう/左利き私論―はじめに(1)━


上記の文章は、2004年に書いたものです。

14年を経ても「左利きの現状」は、残念なことにあまり変化はありません。

大勢は、確かに左利きを忌避する傾向が減り(一部では「左利きフェチ」といった人が増えているといいます)、「左利きは左利きのままで」という子育てが浸透してきています。
また、左手・左利き用品もかなり普及し、特に子供用左手ハサミに関しては、左右平等がかなりのところまで進んでいます(まだまだデザイン等でハンディはありますけれど)。


しかし、上記の文章に例として挙げているもので言えば、自動改札機は、定期券やカード類はかざせばいいだけのタッチ方式になっている点のみが「進歩」です。

スリットに挿入する方式から比べれば、かざすだけのタッチ式は確かに「進歩」ですが、依然「向かって右側の一定の場所に」という大枠に変化はありません。
また、切符はスリットに挿入する方式のままで全く変化はありません。

乗車券の検知装置が左右に設置された機械は登場していません。
また、一定の割合で「左用」の自動改札機が導入されている、という話も聞きません。
十年経とうが二十年経とうが……、というところです。


書字に関しては、今でも一部には「右手使いを良し」と考える人たちがいます(主な理由は、「右手で書くのが作法だから」や「見栄えがよろしくない」というものから、「字は右手で書きやすくできている」に変化していますが)。

義務教育の現場では、毛筆においても右手使いを強要することはなくなったようです。
左手書きの研究も始まっているようで、いくつかの論文が散見できます。


総じて言いますと、パーソナルの分野ではかなりの進歩が見られるものの、社会的な環境ではまだまだ「右利き優先」の「右利き偏重社会」であることに変わりはありません。

それに楔を打ち込もうという左利き認知普及活動も、さほど見られません。

(1)左手・左利き用品を常時展示販売している文房具店・神奈川県相模原市の「菊屋浦上商事」

(2)2007年から8月13日の「国際左利きの日」に、箸を右向きに置く運動を続けている「レフチャス」

ぐらいのものでしょう。

一部のSNSで左利きのコミュニティをつくっているところもあるようですが、一般に開かれたものではなく、社会全体へのアピール度は低いように思われます。

後は、我田引水になりますが、
2003年のクリスマスから始めた、「左利き」をメインテーマにした私のブログ『レフティやすおのお茶でっせ』
2005年から始めて13年目に入る、私のメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
ですね。


書籍では、2009年に、イギリスの「レフトハンダーズ・クラブ」を主宰する(自身左利きで左利きの子を持つ母でもある)ローレン・ミルソムさんの著書の翻訳、左利きの子育てガイド

(a)『左利きの子 右手社会で暮らしやすくするために』(ローレン・ミルソム/著 笹山裕子/訳 東京書籍 2009.4)

が出版されている点は、特筆すべきでしょう。
(ちなみに、巻末資料の作成には私も協力しています。)


他にも、左利き関係の本がいくつか出版されています。
中でも注目すべきものは以下の通りです。

日本の左利き・利き手研究の権威・八田武志さんの
(b)『左対右 きき手大研究』化学同人(DOJIN選書 18) 2008.7.20

イギリスの利き手・左利き研究の権威 クリス・マクマナスさんの
(c)『非対称の起源 偶然か、必然か』大貫昌子/訳 講談社ブルーバックス 2006.10

左利きの科学ジャーナリストが左利きの謎に挑み世界を駆けるサイエンス・ノンフィクション(日本での左利きゴルフ大会や日本人研究者も登場)
(d)『「左利き」は天才?―利き手をめぐる脳と進化の謎』デイヴィッド ウォルマン/著 梶山 あゆみ/訳 日本経済新聞社 2006.7

右利き偏重社会での左利き生活の不便さを語る
(e)『左利きの人々』渡瀬 けん/著 中経の文庫 2009.1

左利きの元教師が自身の書字「矯正」体験と左に戻した体験を通して、左利きの「矯正」に反対する本
(f)『ぼくは左きき 本当の自分であるために』度会金孝(わたらいかねたか)著 日本機関紙出版センター 2014/12/18


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*【左利きを考える―レフティやすおの左利き私論―はじめに】


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